田中克彦県議
日本共産党の田中克彦県議は5日、県議会で一般質問に立ち、加計学園獣医学部の新設問題で、①認可過程の情報開示と説明責任を国に求める②県自身の情報開示③新設経過を検証する第3者機関の設置④獣医学部の図面や資料の開示⑤県議会の現地調査⑥施設整備費補助予算案の撤回の検討――などを中村知事に求めました。また、教員定数の抜本的増員、県独自の学力調査の中止、安全点検にもとづく通学路の安全対策などを要求しました。
田中県議は、加計学園獣医学部の国家戦略特区による新設認可までの経過をあらためて指摘。
「文部科学省の大学設置・学校法人審議会では、獣医学部新設での閣議決定『4条件』は審査対象ではないとされ、加計学園獣医学部は、設置基準さえクリアすればいいだけのものだった。行政がゆがめられたのではないか。獣医師をめざす若い人たちの未来に責任が持てるのか」と厳しく批判。
▽国に情報開示と説明責任を求める▽首相官邸を訪問した県職員、今治市職員の面会相手と面談内容、国家戦略特区会合に参加した加計学園関係者の発言内容▽2015年8月6日の国家戦力特区担当内閣府審議官の今治市訪問に県職員は同席していたのか、その協議内容――などを明らかにするよう知事に要求。
さらに、県独自で獣医学部新設経過を検証する「第3者機関」を設置するよう求めました。
中村知事は「情報公開は国が対応すべきこと」と述べ、県として国に情報開示と説明責任を求めることを拒みました。
西本牧史企画振興部長は「首相官邸を訪問していた県職員の面会相手などは公開できない。内閣府の今治市訪問に県職員2名が同席していた。目的は、現地調査ということだった。県独自の第3者機関の設置の考えはない」と答えました。
田中県議は、麻布大学獣医学部を視察したとして、加計学園には全国のほとんどの獣医学部に整備されていないバイオセーフティーレベル3(BSL3)の施設が建設されていると指摘。どの動物の、どういう症例を、どのくらい扱い、いつから実施するのかと質問。
大学施設の図面や資料の開示、県議会の現地調査を要求。施設整備費補助にかかる予算案の撤回などを検討するよう要求。
西本部長は「BSL3について答える立場にないが、安全性は確保されている。現地調査は開学後に大学と協議する。予算案の撤回の考えはない。支援額の見直しの可能性は『想定しない』ものの、法令違反などがあった場合は一部取り消すことは規定にある」と答えました。
田中県議は「開学後に協議できるなら、少なくとも現地調査が終わるまで財政支援はやめるべき。BSL3の情報をまったく開示せずに説明と言えるのか」と再質問。西本部長は「対応できる教授が8人採用予定と聞いている」と答えました。